一言で言うと:同じ動詞でも、後ろに -ing(動名詞) をつけるか、to + 動詞の原形(不定詞) をつけるかで、意味が変わることがあります。代表的なのが remember to do(〜するのを忘れない)と remember doing(〜したことを覚えている)です。これらのパターンを覚えると、英語のニュアンスがぐっと理解しやすくなります。
I stopped to drink coffee. と I stopped drinking coffee.
どちらも「コーヒー」と「止まる/やめる」に関係していますが、意味はまったく異なります。
英語学習者にとって、動詞の後ろに続く形はつまずきやすいポイントの一つです。特に、同じ動詞でも ing / to do で意味が変わるパターンは、会話やライティングで混乱しやすい文法項目です。
この記事では、日本人学習者が間違えやすい gerund vs infinitive(動名詞 vs 不定詞) の使い分けを、実用的なフレーズとともに解説します。読み終える頃には、「どちらを使えばいいのか」をパターンとして判断しやすくなるはずです。
📌 この記事のポイント
同じ動詞でも、ing か to do かで意味が変わる代表例を覚える(remember, forget, stop, try, regret, go on, need, mean)
* to do(不定詞) は、まだ起こっていないこと、目的、意図、これからの行動を表しやすい
* doing(動名詞) は、すでに起こったこと、経験、習慣、継続中の行動を表しやすい
必ず to do を取る動詞、必ず doing を取る動詞もある
* 文脈を意識すると、どちらを使うべきか判断しやすくなる
一、なぜ動詞の後ろの形で意味が変わるのか?
📖 定義:動名詞(doing)と不定詞(to do)の違いは、大まかに言うと「すでに起こったこと・経験・事実」と「これからすること・目的・意図」の違いです。
英語では、動詞が表す「時間軸」や「意図」によって、後ろに続く形が変わることがあります。
- to do(不定詞):まだ実行していないこと、これからすること、目的、意図、義務
- doing(動名詞):すでに経験したこと、習慣として行うこと、継続中のこと、事実としての行動
ただし、すべての動詞にこのルールがそのまま当てはまるわけではありません。まずは、意味が変わりやすい代表的な動詞から覚えていきましょう。
二、意味が変わる代表動詞 8選
2.1 remember to do vs remember doing
📖 覚え方のポイント:
remember to do =「〜するのを忘れない」→ これからする行動
remember doing =「〜したことを覚えている」→ 過去の経験
フレーズ 1:Please remember to lock the door when you leave.
和訳:出る時、ドアに鍵をかけるのを忘れないでください。
使用場面:依頼・注意を伝える時
文法ポイント:remember to do =義務や約束として「〜することを覚えておく」
フレーズ 2:I remember meeting her at the conference last year.
和訳:去年のカンファレンスで彼女に会ったことを覚えています。
使用場面:過去の出来事を思い出す時
文法ポイント:remember doing =すでに経験したことを「覚えている」
2.2 forget to do vs forget doing
📖 覚え方のポイント:
forget to do =「〜するのを忘れる」→ すべき行動を忘れる
forget doing =「〜したことを忘れる」→ 過去の経験を忘れる
フレーズ 3:I forgot to bring my umbrella this morning.
和訳:今朝、傘を持ってくるのを忘れました。
使用場面:すべきことを忘れた時
文法ポイント:forget to do =すべき行動を実行し忘れた
フレーズ 4:I’ll never forget visiting Kyoto in autumn.
和訳:秋の京都を訪れたことは一生忘れません。
使用場面:印象深い経験を話す時
文法ポイント:forget doing =すでにしたことを「忘れる」。多くの場合、否定文で「忘れられない」という意味で使われます。
2.3 stop to do vs stop doing
📖 覚え方のポイント:
stop to do =「〜するために立ち止まる/中断する」→ 目的
stop doing =「〜することをやめる」→ 中止
フレーズ 5:We stopped to eat lunch at a café by the river.
和訳:川沿いのカフェで昼食を食べるために立ち寄りました。
使用場面:旅行中や散歩中に休憩する時
文法ポイント:stop to do =今していることを中断して、別の目的の行動をする
フレーズ 6:I stopped drinking soda two years ago.
和訳:2年前に炭酸飲料を飲むのをやめました。
使用場面:習慣をやめる時
文法ポイント:stop doing =継続していた行動を「中止する」
2.4 try to do vs try doing
📖 覚え方のポイント:
try to do =「〜しようと努力する」→ 努力・試行
try doing =「試しに〜してみる」→ 方法として試す
フレーズ 7:I’m trying to finish this report by 5 PM.
和訳:午後5時までにこのレポートを終わらせようとしています。
使用場面:目標達成のために努力する時
文法ポイント:try to do =何かを成し遂げようと努力する
フレーズ 8:If you can’t sleep, try drinking warm milk.
和訳:眠れないなら、温かい牛乳を飲んでみてください。
使用場面:アドバイス・提案する時
文法ポイント:try doing =効果があるかどうかを試すために「やってみる」
2.5 regret to do vs regret doing
📖 覚え方のポイント:
regret to do =「残念ながら〜する」→ 悪い知らせを伝える時
regret doing =「〜したことを後悔する」→ 過去の行動を後悔
フレーズ 9:I regret to inform you that your application was not accepted.
和訳:残念ながら、あなたの応募が採用されなかったことをお知らせします。
使用場面:フォーマルな場で悪い知らせを伝える時
文法ポイント:regret to do =主に inform / tell / say などと組み合わせて使う
フレーズ 10:I regret telling him the truth.
和訳:彼に真実を話したことを後悔しています。
使用場面:過去の選択を反省する時
文法ポイント:regret doing =すでに起こったことに対して「後悔する」
2.6 go on to do vs go on doing
📖 覚え方のポイント:
go on to do =「続いて〜する/その後〜する」→ 新しい行動・次の段階へ移行
go on doing =「〜し続ける」→ 同じ行動を継続
フレーズ 11:After graduating, she went on to become a doctor.
和訳:卒業後、彼女は医者になりました。
使用場面:キャリアや人生の次のステップを話す時
文法ポイント:go on to do =何かが終わった後、次の段階に進む
フレーズ 12:Even though it was raining, they went on playing tennis.
和訳:雨が降っていましたが、彼らはテニスをし続けました。
使用場面:困難な状況でも続けることを話す時
文法ポイント:go on doing =中断せずに同じことを続ける
2.7 need to do vs need doing
📖 覚え方のポイント:
need to do =「〜する必要がある」→ 主語が行動する
need doing =「〜される必要がある」→ 受け身の意味(主に物が主語)
フレーズ 13:I need to finish this project by Friday.
和訳:金曜日までにこのプロジェクトを終わらせる必要があります。
使用場面:期限や義務があることを話す時
文法ポイント:need to do =主語がその行動をする必要がある
フレーズ 14:The car needs washing. (= The car needs to be washed.)
和訳:その車は洗う必要があります。
使用場面:物の状態を説明する時
文法ポイント:need doing =主語が「物」の時、受け身の意味になる。アメリカ英語では needs to be washed の方が一般的に使われることもあります。
2.8 mean to do vs mean doing
📖 覚え方のポイント:
mean to do =「〜するつもりだ」→ 意図・計画
mean doing =「〜を意味する/〜を伴う」→ 結果・含意
フレーズ 15:I meant to call you yesterday, but I was too busy.
和訳:昨日電話するつもりだったのですが、忙しくてできませんでした。
使用場面:意図していたが実行できなかったことを説明する時
文法ポイント:mean to do =「〜するつもりだった」
フレーズ 16:Changing jobs means learning new skills.
和訳:仕事を変えるということは、新しいスキルを学ぶことを意味します。
使用場面:ある選択が何を伴うかを説明する時
文法ポイント:mean doing =「〜することは、結果として〜を含む」
三、必ず to do / 必ず doing を取る動詞
上記のように「どちらも取れるけど意味が変わる」動詞がある一方で、基本的にどちらか一方の形しか取らない動詞もあります。
3.1 基本的に to do(不定詞)を取る動詞
| 動詞 | 例文 | 和訳 |
|---|---|---|
| want | I want to learn Spanish. | スペイン語を学びたい |
| decide | She decided to quit her job. | 彼女は仕事を辞めることに決めた |
| promise | He promised to help me. | 彼は手伝うと約束した |
| hope | I hope to visit Paris someday. | いつかパリを訪れたいと思っている |
| plan | We plan to arrive by noon. | 正午までに到着する予定 |
| afford | I can’t afford to buy a new car. | 新車を買う余裕がない |
| manage | She managed to finish on time. | 彼女は時間通りに終わらせた |
3.2 基本的に doing(動名詞)を取る動詞
| 動詞 | 例文 | 和訳 |
|---|---|---|
| enjoy | I enjoy reading mystery novels. | ミステリー小説を読むのが好き |
| finish | Have you finished eating? | 食べ終わった? |
| avoid | He avoided making eye contact. | 彼は目を合わせるのを避けた |
| mind | Do you mind closing the window? | 窓を閉めてもらってもいいですか? |
| suggest | She suggested going to the beach. | 彼女は海に行くことを提案した |
| consider | I’m considering moving to Tokyo. | 東京に引っ越すことを検討している |
| practice | I practice speaking English every day. | 毎日英語を話す練習をしている |
| miss | I miss living in the countryside. | 田舎に住んでいた頃が恋しい |
四、会話例:実際の場面でどう使う?
場面 1:職場でのミス対応
A: Did you remember to send the email to the client? (クライアントにメールを送るのを覚えていた?) B: Oh no, I forgot to send it! I also completely forgot telling you about the delay. (あ、送るのを忘れてた!それに、遅延のことを君に話したことも完全に忘れていた。) A: It’s okay, but please try to remember next time. And maybe try sending it before lunch. (大丈夫。でも次は覚えておくようにして。昼前に送ってみるのもいいかも。) B: I regret not telling you earlier. I’ll send it right away. (もっと早く言わなかったことを後悔してる。今すぐ送るね。)
ポイント:
remember to send =義務として送ることを覚えておく
forgot to send =送る行動を忘れた
forgot telling =すでに話したことを忘れた
try to remember =努力して覚える
try sending =送ってみる(方法として試す)
regret not telling =話さなかったことを後悔する
場面 2:友人との週末の話
A: I stopped eating meat last month. (先月から肉を食べるのをやめたんだ。) B: Really? Why? (本当?どうして?) A: I need to improve my health. But yesterday I stopped to eat at a burger place and almost ordered a burger! (健康を改善する必要があるんだ。でも昨日ハンバーガー屋で食べるために立ち寄って、危うくハンバーガーを注文しそうになったよ!) B: Haha, that’s tough. Try drinking more smoothies instead. (ハハ、大変だね。代わりにスムージーをもっと飲んでみたら。)
ポイント:
stopped eating =肉を食べることをやめた
need to improve =改善する必要がある
stopped to eat =食べるために立ち寄った
try drinking =飲んでみる(方法として試す)
五、よくある間違いと修正
❌ 間違い 1:I stopped to smoke.
✅ 修正:I stopped smoking.
解説:「タバコをやめる」は stop smoking です。stop to smoke は「タバコを吸うために立ち止まる/中断する」という意味になります。
❌ 間違い 2:Please remember locking the door.
✅ 修正:Please remember to lock the door.
解説:「ドアに鍵をかけるのを忘れないで」は未来の行動なので remember to lock です。remember locking だと「鍵をかけたことを覚えている」という意味になります。
❌ 間違い 3:I enjoy to swim.
✅ 修正:I enjoy swimming.
解説:enjoy は基本的に doing を取る動詞です。不定詞は使えません。
△ 注意したい文:I try to eat more vegetables, so I try eating them at breakfast.
✅ より自然:I’m trying to eat more vegetables, so I’m trying eating them at breakfast.
解説:前半は「もっと野菜を食べようと努力している」→ try to eat。後半は「朝食に食べてみる」→ try eating。元の文も文法的には成立しますが、現在取り組んでいる習慣について話すなら進行形にした方が自然です。
❌ 間違い 5:The house needs to paint.
✅ 修正:The house needs painting. / The house needs to be painted.
解説:主語が「もの」の時、need doing は受け身の意味になります。不定詞を使う場合は to be painted(受け身不定詞)にしましょう。
六、判断フロー:どっちを使えばいい?
判断に迷った時は、このフローで考えてみましょう。
Q1: その動詞は「基本的に doing / to do のどちらかしか取らない」?
├── Yes → その形を使う(enjoy doing / want to do)
└── No → Q2へ
Q2: 主語は「人」か「物」か?
├── 物 + need → need doing / need to be done(受け身の意味)
└── 人 → Q3へ
Q3: 話していることは「まだ起こっていない行動」?
├── Yes → to do(目的・意図・義務・これからの行動)
└── No → doing(経験・継続・後悔・習慣)
七、練習問題
以下の空欄に to do か doing の形を入れてみましょう。
- She promised _ (help) me with the project.
- I can’t stand _ (wait) in long lines.
- Have you finished _ (write) the report?
- He managed _ (arrive) on time despite the traffic.
- I’m considering _ (buy) a new laptop.
- They decided _ (move) to Osaka.
- Do you mind _ (open) the window?
- I regret _ (not / study) harder in high school.
✅ 答えを見る
1. to help(promise は基本的に to do)
2. waiting(can’t stand は doing)
3. writing(finish は doing)
4. to arrive(manage は to do)
5. buying(consider は doing)
6. to move(decide は to do)
7. opening(mind は doing)
8. not studying(regret doing =過去のことを後悔)
八、FAQ(よくある質問)
Q1: 「動名詞」と「現在分詞」の違いは何ですか?
両方とも -ing の形ですが、役割が違います。
- 動名詞(gerund):名詞の役割
例:Swimming is fun. の Swimming は主語 - 現在分詞(present participle):進行形の一部、または形容詞的な役割
例:a sleeping baby の sleeping
この記事で扱った doing は、主に「動名詞」として動詞の後ろに置かれる形です。
Q2: 「動詞+to do」と「動詞+目的語+to do」の違いは?
want to go(動詞+to do):主語が行動する
want him to go(動詞+目的語+to do):目的語(him)が行動する
後者は「相手に何かをしてほしい」「相手に何かを求める」というニュアンスになります。tell / ask / want / need / expect などがこのパターンを取ります。
Q3: なぜ英語には動名詞と不定詞の両方が必要なのですか?
一言で言うと、時間軸や意図を表現するためです。不定詞は「未来・未完了・意図・目的」を含みやすく、動名詞は「過去・経験・事実・習慣」を含みやすい傾向があります。
ただし、動詞ごとに決まったパターンも多いので、ルールだけでなくセットフレーズとして覚えることも大切です。
Q4: 「avoid to do」は間違いですか?
はい、基本的には間違いです。avoid は doing を取る動詞の代表です。正しくは avoid doing です。
同様に、enjoy, finish, mind, suggest, practice, miss なども doing を取ります。
Q5: 不定詞を使う時、to の後ろは常に原形ですか?
はい、不定詞の to の後ろは動詞の原形です。
ただし、to が前置詞として使われる場合は例外です。例えば look forward to の to は前置詞なので、後ろには動名詞が続きます。
I’m looking forward to meeting you. お会いできるのを楽しみにしています。
まとめ
動詞の後ろに ing を使うか to do を使うかは、文脈によってニュアンスが大きく変わることがあります。特に remember, forget, stop, try, regret, go on, need, mean などの動詞は、同じ動詞なのに後ろの形によって意味が変わるため、パターンとして覚えることが大切です。
まずは「to do =これからの行動・目的・意図」「doing =過去の経験・事実・習慣」という大きなイメージを押さえましょう。そのうえで、enjoy doing、want to do のような定番パターンをセットで覚えると、実際の会話や文章で迷いにくくなります。
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