英語での自己紹介、”My name is…”だけで終わっていませんか?実は、自己紹介は相手との関係を築く最初の、そして最も重要なチャンスです。ビジネスシーンでもカジュアルな場面でも、印象的な自己紹介ができれば会話が自然と弾み、その後のコミュニケーションがスムーズになります。
本記事では、教科書には載っていない「実際に使える」自己紹介の英語表現を、具体的な会話例とともにご紹介します。初対面の相手に好印象を与え、会話を続けやすくする秘訣を身につけましょう。
1. 名前の伝え方:シンプルだけど奥が深い
基本フレーズ
フレーズ:
和訳:[名前]です。はじめまして。
使用場面:カジュアルな場面全般。同僚、友人の友人など
注意点:”I’m”は”I am”の短縮形で自然な響き。”Nice to meet you”は軽く上げ調子で発音すると親しみやすい印象に。
フレーズ:
和訳:私の名前は[フルネーム]です。[ニックネーム]と呼んでください。
使用場面:ややフォーマルな場面から始めて、距離を縮めたいとき
注意点:日本人の名前は発音しにくいことも。”Please call me…”で呼びやすい名前を提案すると親切で、相手も覚えやすい。
フレーズ:
和訳:[ニックネーム]で通っています。
使用場面:カジュアルな場面。自然でネイティブらしい表現
注意点:”go by”は「~として知られている」という意味。”I’m called…”より自然でこなれた印象を与える。
会話例
A: Hi! I’m Takeshi Yamada, but please call me Tak. It’s easier to remember!
B: Nice to meet you, Tak! I’m Jennifer, but everyone calls me Jen. Where are you from?
A: I’m from Tokyo. How about you?
—
和訳:
A: こんにちは!山田武志といいますが、タクと呼んでください。覚えやすいですから!
B: はじめまして、タク!私はジェニファーですが、みんなジェンと呼びます。どちらから来られましたか?
A: 東京からです。あなたは?
– 日本人の名前は英語話者にとって発音や記憶が難しい場合があります。短いニックネームを提案することで、相手の負担を減らし、親しみやすい印象を与えられます。
– “It’s easier to remember!”のような一言を添えると、ユーモアと配慮が伝わります。
– 自己紹介後すぐに相手に質問を返すことで、会話が一方通行にならず自然な流れが生まれます。
2. 職業・仕事の説明:興味を持たれる伝え方
基本フレーズ
フレーズ:
和訳:[会社名]で[職業]として働いています。
使用場面:フォーマルな場面。ビジネスミーティングなど
注意点:”work as”は職種を、”work at/for”は会社を示します。”at”は場所、”for”は組織への所属を強調。
フレーズ:
和訳:[業界/分野]で働いています。
使用場面:カジュアルな場面。具体的な職種より業界を伝えたいとき
注意点:”I’m in marketing”「マーケティング業界にいます」のように、シンプルで会話を始めやすい表現。
フレーズ:
和訳:私がしていることは[具体的な業務内容]です。
使用場面:相手が興味を持ちそうなとき、より詳しく説明したいとき
注意点:職業名だけでは伝わりにくい仕事内容を、相手がイメージしやすい言葉で説明できる便利な表現。
フレーズ:
和訳:[対象]が[内容]するのを手助けしています。
使用場面:あらゆる場面。相手に価値が伝わりやすい
注意点:「何をしているか」より「誰にどんな価値を提供しているか」を伝える現代的な自己紹介法。記憶に残りやすい。
会話例
A: So, what do you do?
B: I’m in software development. What I do is help companies build mobile apps for their customers. How about you?
A: That sounds interesting! I work as a consultant. I help small businesses improve their operations.
—
和訳:
A: それで、お仕事は何をされているんですか?
B: ソフトウェア開発の分野です。企業が顧客向けのモバイルアプリを作るのを手助けしています。あなたは?
A: それは面白そうですね!私はコンサルタントとして働いています。中小企業の業務改善を支援しています。
– “What do you do?”は「仕事は何ですか?」という定番の質問。カジュアルな場面で最もよく使われます。
– 職業を説明するとき、専門用語を避けて誰にでも分かる言葉を選ぶことが重要です。
– “I help…”の構文は、どんな職業でも応用でき、相手が具体的にイメージしやすい優れた表現です。
– 相手の仕事に”That sounds interesting!”のような肯定的な反応を示すと、会話が友好的に進みます。
3. 趣味・興味の共有:親近感を生む話題
基本フレーズ
フレーズ:
和訳:自由時間には[趣味]を楽しんでいます。
使用場面:フォーマルからカジュアルまで幅広く使える万能表現
注意点:”enjoy”の後は動名詞(-ing形)。”I enjoy to read”は誤りで、”I enjoy reading”が正解。
フレーズ:
和訳:[趣味/興味]にとてもはまっています。
使用場面:カジュアルな場面。熱中していることを伝えたいとき
注意点:”into”は「夢中になっている」というニュアンス。”really”を強調して発音すると熱意が伝わります。
フレーズ:
和訳:最近[新しい趣味]を始めています。
使用場面:最近始めたことを話題にしたいとき
注意点:”lately”(最近)をつけることで、現在進行中の興味であることが伝わり、相手も質問しやすくなります。
会話例
A: So, what do you like to do outside of work?
B: I’m really into hiking. I try to go every weekend. How about you?
A: Oh, me too! I’ve been getting into trail running lately. Where do you usually hike?
B: Mostly around Mount Takao. We should go together sometime!
—
和訳:
A: それで、仕事以外では何をするのが好きですか?
B: ハイキングにとてもはまっています。毎週末行くようにしているんです。あなたは?
A: あ、私もです!最近トレイルランニングを始めたんです。普段どこでハイキングするんですか?
B: 主に高尾山周辺です。いつか一緒に行きましょう!
– “outside of work”は「仕事以外で」という便利な表現。会話を私生活の話題に自然に移行できます。
– 共通の趣味が見つかったときの”Oh, me too!”は、親近感を示す最高の反応です。
– “We should… sometime!”は社交辞令として使われることもありますが、本当に興味があれば具体的な提案に発展させましょう。
– 日本人学習者は”I like hiking”だけで終わりがちですが、頻度(every weekend)や具体的な場所を加えると会話が続きやすくなります。
4. 出身地・背景の紹介:ストーリーで印象づける
基本フレーズ
フレーズ:
和訳:元々は[出身地]出身ですが、今は[現住所]に住んでいます。
使用場面:出身地と現住所が異なる場合。非常に一般的な表現
注意点:”originally”を入れることで、ルーツと現在の両方を簡潔に伝えられます。
フレーズ:
和訳:[特徴]で知られる[地名]出身です。
使用場面:相手が知らない可能性がある地名を説明するとき
注意点:地名だけでなく特徴を加えることで、相手が質問しやすくなり、会話のきっかけが生まれます。
フレーズ:
和訳:[場所]で育ったので、[その影響]です。
使用場面:自分の背景が現在の自分に与えた影響を伝えたいとき
注意点:”grew up”は「育った」という意味。出身地が自分に与えた影響を語ることで、より深い自己紹介になります。
会話例
A: Where are you from?
B: I’m originally from Kyoto, but I’ve been living in Singapore for the past three years. Have you been to Japan?
A: Yes, I visited Tokyo last year! I’d love to see Kyoto. I heard it’s beautiful.
B: It really is. It’s known for its temples and traditional culture. You should definitely visit if you get the chance.
—
和訳:
A: どちらのご出身ですか?
B: 元々は京都出身ですが、この3年間シンガポールに住んでいます。日本に行ったことはありますか?
A: はい、去年東京を訪れました!京都も見てみたいです。美しいと聞いています。
B: 本当にそうですよ。寺院と伝統文化で知られています。機会があればぜひ訪れるべきですよ。
– “Have you been to…?”は相手との共通点を探る優れた質問。自己紹介から自然な会話への橋渡しになります。
– 期間を示す”for the past three years”のような具体的な情報を加えると、話に深みが出ます。
– 自分の出身地について説明するとき、相手が知っている可能性のある特徴(temples, traditional culture)を挙げると理解されやすくなります。
– 日本人は謙遜する文化がありますが、英語圏では自分の出身地を誇りを持って紹介することが好まれます。
5. 会話を続ける:質問と反応のテクニック
基本フレーズ
フレーズ:
和訳:あなたはどうですか?
使用場面:自分について話した後、相手にも同じ質問を返すとき
注意点:最も自然で頻繁に使われる表現。これを忘れると会話が一方通行になってしまいます。
フレーズ:
和訳:それは興味深いですね![話題]についてもっと教えてください。
使用場面:相手の話に興味を示し、詳しく聞きたいとき
注意点:”interesting”は万能な肯定的反応。具体的に何について聞きたいかを示すと、会話が深まります。
フレーズ:
和訳:本当ですか?私もずっと[関連すること]したいと思っていました。
使用場面:相手の話に共感や興味を示すとき
注意点:”I’ve always wanted to…”は共通の興味を見つける優れた表現。親近感を生み出します。
フレーズ:
和訳:どうして[相手の趣味/仕事]を始めたのですか?
使用場面:相手のバックグラウンドや動機を掘り下げたいとき
注意点:”What got you into…”は「きっかけ」を尋ねる自然な表現。”Why did you start…”より会話的です。
会話例1
A: I work in finance, and I’m taking this class because I need English for meetings with overseas clients.
B: That’s interesting! I’m in a similar situation. I work in sales and often have video calls with our US office. What got you into finance?
A: Well, I studied economics in university, and I’ve always been interested in how markets work. How about you? What made you choose sales?
—
和訳:
A: 金融関係で働いていて、海外のクライアントとの会議で英語が必要なので、このクラスを受講しています。
B: それは興味深いですね!私も似たような状況です。営業をしていて、アメリカのオフィスとテレビ会議をすることがよくあります。どうして金融の仕事を選んだのですか?
A: そうですね、大学で経済学を学んでいて、市場の仕組みにずっと興味があったんです。あなたは?何がきっかけで営業を選んだのですか?
会話例2
A: I love photography. I usually spend my weekends taking photos around the city.
B: Oh really? I’ve always wanted to learn photography! What kind of camera do you use?
A: I use a mirrorless camera, but honestly, you can start with just your smartphone. The most important thing is composition and lighting.
B: That’s good to know! Maybe you could share some tips with me sometime?
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和訳:
A: 写真が大好きで、週末はたいてい街中で写真を撮って過ごしています。
B: 本当ですか?私もずっと写真を学びたいと思っていたんです!どんなカメラを使っていますか?
A: ミラーレスカメラを使っていますが、正直、スマートフォンから始められますよ。一番大事なのは構図と光です。
B: それは良いことを聞きました!いつかコツを教えてもらえませんか?
– 自己紹介で最も重要なのは「相互性」。自分のことを話したら必ず相手にも質問を返しましょう。
– “That’s interesting!”や”Oh really?”のような反応語は、相手の話を聞いていることを示す重要なシグナルです。
– 日本人学習者は質問されたことに答えるだけで終わりがちですが、”How about you?”を習慣づけることで会話が続きます。
– 相手の話に関連する自分の経験や興味を共有することで、単なる情報交換から本当の会話になります。
– “Maybe we could…”や”You should…”のような提案で会話を締めくくると、今後の関係継続につながります。
6. 印象に残る締めくくり:次につながる終わり方
基本フレーズ
フレーズ:
和訳:お会いできて良かったです!
使用場面:会話を終えるとき。最も一般的な別れの挨拶
注意点:”Nice meeting you”より”Great meeting you”の方が温かみがあります。過去形(was)を使うことに注意。
フレーズ:
和訳:連絡を取り合いましょう!
使用場面:今後も交流を続けたいとき
注意点:この後に”Here’s my email/LinkedIn”などと連絡先交換につなげるのが自然な流れです。
フレーズ:
和訳:次回は[話題]についてもっと話せるといいですね。
使用場面:特定の話題で盛り上がり、続きを楽しみにしているとき
注意点:具体的な話題に言及することで、社交辞令ではなく本当に興味があることが伝わります。
会話例
A: Well, I should probably get going. It was really great meeting you!
B: You too! Let’s keep in touch. Here’s my business card.
A: Thank you! I’ll send you an email about that project we discussed. I hope we can collaborate in the future.
B: That sounds perfect. Looking forward to it!
—
和訳:
A: さて、そろそろ行かないと。本当にお会いできて良かったです!
B: こちらこそ!連絡を取り合いましょう。これが私の名刺です。
A: ありがとうございます!話し合ったプロジェクトについてメールしますね。将来的に協力できるといいですね。
B: それは完璧ですね。楽しみにしています!
– “I should probably get going”は「そろそろ行かないと」という丁寧な会話の終わらせ方。
– 別れ際は必ず前向きで感謝の気持ちを表す表現を使いましょう。
– 連絡先交換は、ビジネスシーンでは名刺、カジュアルな場面ではSNSやメールが一般的です。
– “Looking forward to it!”は「楽しみにしています」という万能な前向き表現。メールでもよく使われます。
– 日本人は別れ際に何度もお辞儀をしますが、英語圏では握手またはアイコンタクトとスマイルで十分です。
**効果的な練習方法**
1. **録音して聞き直す**:スマートフォンで自己紹介を録音し、流暢さや自然さをチェックしましょう。
2. **3パターン準備する**:フォーマル、セミフォーマル、カジュアルの3つの自己紹介バージョンを準備し、場面に応じて使い分けます。
3. **実際の場面で使う**:オンライン言語交換、国際交流イベント、英会話カフェなど、実践の場を積極的に作りましょう。
4. **相手の反応を観察する**:どのフレーズで会話が弾んだか、どこで相手が興味を示したかをメモして、自己紹介をブラッシュアップしていきます。
5. **質問のストックを作る**:自分が話すだけでなく、相手に投げかける質問も5〜10個準備しておくと、会話が途切れません。
重要なのは、完璧な英語を話すことではなく、相手に興味を持ち、genuine(誠実)なコミュニケーションを取ること。笑顔とアイコンタクト、そして相手の話に耳を傾ける姿勢が、どんな英語表現よりも強力な自己紹介ツールになります。
今日から、次の英語での出会いに備えて、あなただけの魅力的な自己紹介を作ってみてください!